初めて印刷物に挑戦するへ向けて実際の入稿方法、illustratorデータの作成方法などを解説していきます。
利用する印刷会社さんはWeb上で入稿&印刷手配ができるプリントパックを例とします。
また、例としてA4サイズのチラシ(片面)を入稿例とします。
デザインテンプレートを用意する
自身で印刷のデータの雛形を1から作成してもいいですが、プリントパックに限らず印刷会社さんでは予め各印刷物用のテンプレートが用意してあるのでそちらを使用します。
テンプレートへアクセス
まずはプリントパックの公式サイトへアクセスします。
使用テンプレートの設定
アクセスして、Quick Templateで使用条件を入力し、ダウンロードします。
今回は以下設定とします。
- カテゴリー:チラシ・ビラ・フライヤー
- サイズ:A4(縦型)
- 加工:トンボ仕上がり断裁
- OS:Mac ※Windowsの方はWindowsを選択
最後のOSまで選択すると自動でページ遷移し、ダウンロードが始まり。以下のようなフォルダとファイルがある事を確認
ダウンロードしたテンプレートの確認・変換
ダウンロードした雛形の拡張子は「eps」になっているのでそのままダブルクリックするとPhotoshopが開いてしまいます。
ダブルクリックせずにファイルをIllustratorアプリにドラッグアンドドロップしてepsファイルをIllustratorで開きます。
問題なく表示されたら、拡張子のepsをaiに変換する作業をします。
手順は以下です。
- メニューの「ファイル」→「別名で保存」
- ファイル形式を「adobe illustrator(ai)」にして保存
拡張子が.aiになっていたらOKです。
また、データの左下に3重のガイド線について記載があります。こちらは必ず目を通します。
- 外側の点線が「塗り足し」と言われるガイドの線です。背景色や画像を横幅いっぱいに広げたい場合は必ずこちらの線まで広げる必要があります。
- 真ん中の点線が「仕上がり線」です。この位置で断裁されます。※ただし、必ずこの線ぴったりに断裁されるわけではありませんので数ミリズレて断裁される事はしばしばです。紙の枠に細い枠線を付けたい場合はズレる可能性が高いのでオススメしません。
- 内側の点線がテキストや人画像など見切れてはいけないものをこの線内に収めてくださいという、絶対領域みたいな線です。この線内領域が断裁されることはありません。
ガイドライン確認
雛形の用意までできたらデザイン前に印刷データに関するガイドラインを確認します。
ガイドラインは印刷会社ごとに存在しているので確認必須です。
念のためこちらに追加要素を加えたものを含め、リスト化しておきます。
デザイン作成時チェックリスト
- 塗り足しはしているか ※3重のガイド線の一番外側の線まで塗っているか
- カラーモードをCMYKにしているか ※RGBは主にWeb甩なのでNG
- 黒色はリッチブラックにしているか ※透過の原因になる。C50+M40+Y30+K100等にする
- 仕上がり位置(線)内に文字が入っているか ※重要な情報が裁断されてしまうので
- 全ての線幅は0.25pt以上か ※細すぎると印刷されない場合がある
- CMYKの合計が300%以上になっているオブジェクトはないか ※300%を超えると濃度オーバーになって印刷できない場合がある
- CMYKの合計が5%以下になっているオブジェクトはないか ※印刷されない
- 特色は使っていないか ※カラーが抜けたり、周辺の色が変化してしまう
- 画像の解像度を300〜350dpiにしているか ※高画質で表示させる為
- 画像はリンク切れしていないか、また画像を埋め込みにする場合は正しく埋め込んでいるか ※リンク切れしていると入稿先でリンク切れして画像が表示されない
- 全文字をアウトライン化しているか ※入稿先で違うフォントに置換される
- 変形、ワープ、ドロップシャドウ、透明、乗算などの「効果」を使用したオブジェクトはアピアランスの分割したか。もしくはラスタライズしたか(解像度:350、背景:透明、アンチエイリアス:アートに最適、特色の保持:チェックを外す)
- パターンオブジェクトは「ラスタライズ」か、「分割・拡張」はしているか
入稿データの作成
プリントパックの場合aiデータや、PDFデータでの入稿ができます。今回はこの2つを解説します。
PDFの場合
- aiデータでメニューの「別名で保存」
- ファイル形式を「Adobe Acrobat(pdf)」を選択して「保存」
- オプションウインドウが開くのでPDFプリセットを[プレス印刷]にする
- 「Illustratorの編集機能を保持」のチェックを外す
- 「圧縮」タブにをクリックして、「カラー画像」、「グレースケール画像」を350ppiに変更
- 他の項目は特に変更しない
- 「PDFを保存」で任意の場所に保存する
※注意書きが出る場合がありますが、気にせずOKを選択します。
【参考】PDF作成マニュアル、「印刷用PDFの保存方法」
aiデータの場合
aiデータの場合、2パターンあります。
- ①リンク画像やaiデータ等をまとめてフォルダで入稿する
- ②画像を埋め込みした状態(1つのaiデータのみ)で入稿する
②の場合、PDFで入稿する手順と一緒なので割愛します。
①リンク画像やaiデータ等をまとめてフォルダで入稿する
入稿
クイックデータチェック
プリントパックには、入稿するデータに不備が無いか自動でチェックしてくれるwebサービスがあります。こちらでミスが無いか確認します。
- データ入稿ページへアクセスします。
- クイックデータチェックをタップしてページへ移動します
- 各項目を入力して、「次へ」
- データのアップロード画面になったら中央の「アップロードデータをここにドロップ」にPDF、もしくはaiデータをドロップします
- データのアップが終わったら画面右下の「このデータをチェックする」を選択するとチェックが開始されます
- 問題がなければ画面に「データチェックOKです」という文字と、「次へ」が表示されます
問題がある場合はエラーメッセージが表示され、不備の内容が表示されます。不備を修正してメッセージがなくなるまで修正します - 確認画面になるので、画面右の「確認用画像」や「3Dデータで確認」で仕上がりを確認できます。
- 確認できたら「このデータでチェック完了する」をタップすると入稿が完了します。
注文
クイックデータチェック&入稿が終わったらすぐに注文することができます。
- チェックが完了すると「データチェックが完了しました」とポップアップが表示されるので「注文を続ける」を選択
- 「注文する」をタップすると注文項目のポップアップが表示されるので各項目を入力して「注文する」を選択します。
- カートに移動するので発送情報や支払い情報を入力して「注文を確定する」を選択すると注文が完了します。
まとめ
プリントパックを利用した印刷データの作成方法、データチェック、入稿方法について解説しました。
Webと違い、物理的な紙の印刷物となるとチェックも細かく必要で、仕上がりは刷ってみないと絶対大丈夫とは言えません。
「刷るまで100%大丈夫とはいえない」というリスクを抑えて円滑に進めれる手助けになれればと思います。
またわからない事があれば印刷会社に聞くといいと思いますが、プリントパックはチャットボットでは解決出来ることは難しく電話はほとんと繋がりません。
オススメはメールだと思います。私が問い合わせると数日以内には返信をいただけたのでオススメです。